今回は第2回目。引き続き、高橋三千綱の『投資家の父より息子への13の遺言』から、投資秘伝を盗むのであるが、今回はかなり精神的なものも多い。今回のポイントは投資家として生きることに尽きる。
個人投資家として生きる
会社の資産内容や財務内容を見るファンダメンタル分析は下手でも、自分にはファンダメンタルに一番大事な会社の成長性を見る勘があると信じていた。たとえ、それがチャート分析によるものだったとしても。
株式投資が厳しい時代だった。それでも、自分は楽天的だった。
その時に彼が思っていたことは次のようなことだ。
悲観的になっても何も生まれない。生むことが出来ない。楽しみを探そうという気力もなくなる。だからこそ、積極的になるべきなのだ。
たとえ一度だけでも積極的に物事を見ることにしてみよう
そんな彼は香港から日本に戻り、淡路島にマンションを借りた。家賃実質5.5万円で。その時日本の株式投資見通しが暗く下降トレンドに入っていた。最初の1年はわずか700万円の稼ぎしかなかった。
それでも、そんな下降トレンドの中、彼は相場転換のサインを見出そうとしていた。方法は株価の『出来高』と『騰落レシオ』の動向を重視すれば良いと考えていた。
そして、彼は騰落レシオと出来高が上がって買いシグナルが彼の中で発動された「ソフトバンク株」を買い始めた。その後には、上昇相場が始まったとして、和光証券株を151円で10万株買っている。
100年に一度の大相場
和光証券は高騰し、結果、この会社の株だけで投資資金は1500万に増えた。そして、IT株としてのソフトバンク株勝負に出たのだった。ソフトバンク株はエリオット波動のごとく、のこぎりの歯のようにぎざぎざに上昇していった。1億の大金を得た。その時点で彼は相場から離れたのだ。四国八十八箇寺の歩き遍路に出たのだ。歩きながら様々な思いが胸に沸いたという。
尊敬する師匠「中村天風」が語っていたことを気づかせてくれたと。
『氣』が自分の肉体も心も支配する。
そして、彼は大相場を睨んで投資戦術を練り直したのだ。ヤフー株に手を出したのだ。ソフトバンク株と同時に。
この時の彼は、「ナンピン買いはしない」という一見否定的なルールを自分に課す一方、アクティブ投資の法則として、新たに買った株が値上がりしたら、20~30%の儲けで満足して売ったりせず、反対に買い増しするという投資スタンスで臨んでいた。そして、17億までの資金到達をする。
撤退の仕方
大事なことは、どこがピークかを知ることなのである。投資家の父は、それを知っていたのだ。
あの「エリオット波動」のことを考えていたのだ。数学者フィボナッチが発見したというフィボナッチ級指数も考えていた。そう、黄金分割比率なのだよ。自然界の本来あるべき美しい姿を支配している比率のことだ。
相場の世界でも言われている。「3分の1戻し」と「3分の2押し」などがそうだ。彼は、エリオット波動のピークにいると判断し、5の頂点にいるので、すぐに落下するだろうと読み、そして、売り切り、相場から離れた。
なんという引き際の良さ。凄すぎである。
こんな話の中にも、億になるための基本的な手法があるような気がする。
儲けようぜ。積極的に勝負に出る時と相場から離れる時を上手に演出できるようになろうぜよ。
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