自分の中の感情
感情で心の中が一杯になってしまう。心に溢れてきた気持ちを抑えることが出来ずに、時々というか、いつでもか、感情任せで走ってしまう。
これはまずいなと思ったころには、時既に遅し。周りとの関係がギクシャクしてしまう。こんなことはありませんか?
私にはよくある。いい歳になっても、よくある。
思いついたことをとにかく喋ってしまう。せっかちなのである。クールに冷静に考えて話をすれば良いと分かっていても、そうなってしまう。
せっかちなところが短所でもあるが、自分の好きなところでもある。こんな自分をもう少し上手にバランスよく人と接したいなと思うこの頃であります。
そんな時に、ある人を通じて、「いくえみ綾」の漫画を紹介されました。
紹介してもらって、感謝しています。今。
自分の心の中について、深く入り込んだような作品で、心のバランスが取れない人間がどうやって生きていくかについて描かれているからでした。
自分の心の置き所の仕方について、勉強出来たような気がします。
「潔く柔く」です。
潔く柔く・ いくえみ綾漫画
漫画は オムニバス形式で、多分、最初は、繋がりが結構難しいかなという感じもありましたが、読み進めるうちに、とても楽しめました。
一言で言えば、友人を亡くした過去を持つ2人の男女が、共に心の傷を癒しながら立ち直っていき徐々に二人が寄り添っていくというラブストーリー。
登場人物が多く、それぞれがいろんな時系列で絡み合っていてとてもよく考えられた作品ですね。
登場人物の男の子も女の子も全体的に魅力的な人間らしい子が多くて登場していて現実に近い設定なところも良い感じでした。
15才の夏に幼なじみを亡くし、恋することが出来なくなった瀬戸カンナ。
小学校時代に同級生と事故に遭い、自分だけ生き残った赤沢禄。
過去を抱えた二人が出会った時、止まっていた時間が動き出す。
いくえみ綾、心を顕わにする
この漫画を紹介され、読んだことで、癒されるところがありました。また、自分の感情的な部分の直し方についても、何か学んだ感じにはなりました。今までの漫画作者の切り口より深い感じがしたのですね。
こんな感じで、いくえみ綾の漫画から自分が感じ取ったことや驚いたことは、単純に、次のようなことです。
1.多くの登場人物の心の中の描写がしっかりと描かれている。
2.細かな心理描写が描かれている。結構、心の中を顕わにさせている。
3.悲しみからの立ち直り姿が時間の経過と共に描かれている。
4.人は不思議と繋がっていく。
5.繋がりの中で心が助かることも心が折れることもある。
6.色々な登場人物を通じて、心理状態のあれこれを学べる。
淡々と描かれている作品なのに。正直、いくえみ綾は、凄い心理学者だなと思いました。
自分でも、自分の心の中をこんな感じで客観的に把握出来たのなら、感情に押し流されて、嫌な思いにならないように出来るかもしれないのではとまで、勝手に思いました。
が、人間、そう簡単にはいきませんよね。でも、参考にはなります。周りにいる人の感情や心の流れや自分の心の流れを瞬時に考えられるようになりたいものです。
潔く柔く・映画
当然のように、この漫画は映画化されました。この漫画を映画にするのはかなり難しいと思いますが、それなりの出来映えになっているのではないでしょうか?
映画の内容を書くことで、「潔く柔く」のストーリーを追いましょう。
――15の夏、幼なじみのハルタが死んだ。もう誰も好きになれない・・・・・・
カンナが禄に出会った時、止まっていた時間が動き出す――。
同じ団地の隣同士で育ったカンナ(長澤まさみ)とハルタ(高良健吾)。
幼なじみのふたりは、お互いを一番近い存在だと感じていた。同じ高校に進学したカンナとハルタは、クラスメイトの朝美(波瑠)と真山(中村蒼)と仲良くなる。遊びに行く時はいつも4人一緒。
15才のキラキラと輝く青春の日々がいつまでも続くと信じていた――。
ある日、真山が「花火大会、ふたりだけで行こう」とカンナを誘う。戸惑いながらも出かけた花火大会の夜、カンナは真山から告白される。
同じ時間、バイト先からカンナの部屋へ自転車を走らせていたハルタは、トラックに跳ねられて死んでしまう。
カンナの携帯に最後のメッセージを残して・・・・・・・。大切な人の突然の死・・・・・・。
深い悲しみと罪悪感に襲われたカンナは、その日から恋をすることが出来なくなった。
15才の心のまま年を重ね大人になったカンナは、映画宣伝会社で勤めるようになっていた。行きつけのバーで飲んでいた時、
出版社で働く赤沢禄(岡田将生)と偶然出会う。「感じ悪い男・・・・・・」。
核心をつく言葉で自分の心に土足で入り込んでくる禄に反発しながらも、徐々に彼の存在が気になっていく。
そして、明るく悩みなど無いように見える禄も実は、辛い過去を背負っていた。
小学生の頃、同じクラスの女の子と交通事故に巻き込まれ、自分だけが生き残ったのだ。
高校時代、その子の姉・愛実(池脇千鶴)と出会い不思議な経験をした禄。彼は、大人になった今も、
亡くなった子の面影を残す、愛実の娘の写真をお守りのように持ち歩いていた。
運命に導かれるように出会ったカンナと禄。
ぶつかり合いながらも、惹かれあう気持ちに逆らえない。
禄は恋に踏み出せないカンナを救い出すことが出来るのか――。
そして、忘れられない過去を抱えたふたりに訪れる奇跡とは・・・・・・。
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