めぞん一刻を語る㉔:時計坂

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めぞん一刻
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『めぞん一刻』の背景としての地理的なシチュエーションというか場所として一番重要なのが、そのアパートのある街なのである。そして、作者の高橋留美子先生は、その重要な場所の名前を、時計坂にしたのであった。

誰でも、若いときに、独りで生活をしていこうとした時を振り返ると、忘れられない想い出になるような場所があるだろう。自分の青春や若さや自分の核を作ってくれたような背景となる街がきっと、あるだろう。

その場所が、『めぞん一刻』の場合は、時計坂なのである。「時計坂」という町の名前。とても、現実と仮想の狭間に揺れそうなファンタジーな街の名前なのである。

時計坂〜めぞん一刻の舞台東久留米を歩く
めぞん一刻の舞台時計坂=東久留米を訪ねるサイト

ちなみに、時計坂の設定モデル舞台は、東京都の東久留米であったことは、有名である。

時計坂=東久留米駅
「時計坂」の奇跡 土屋武之さん:東京新聞デジタル
2009年8月1日、西武池袋線の東久留米駅で奇跡が起こった。まるでそこが「時計坂駅」であるかのように、1日だけ駅の名を変えたのだった=...

そう、めぞん一刻での「時計坂駅」は、西武池袋線の「東久留米駅」の今は無き「東久留米北口駅舎」がモデルであったのである。昔昔、めぞん一刻のファンたちが集った聖地巡礼の場所でもあったのだ。

時計坂の街は、めぞん一刻館に向かって、坂道なのであった。

出典:『めぞん一刻』(c)高橋留美子/小学館

坂道と言っても、初期のめぞん一刻の漫画の中では、道路は舗装化されていなかったし、管理人さんの響子さんのお顔も、少し違ったのね。(めぞん一刻第1集-Part7-春のワサビより)

出典:『めぞん一刻』(c)高橋留美子/小学館

最初の頃、大学受験生の五代君が受験する頃、五代君のあの有名な❝ばーちゃん❞が時計坂駅にやってきて、響子さんが迎えに行くところで、初めて、『時計坂駅』は登場してくるのだった。(めぞん一刻第1集-Part6-サクサクカより)

出典:『めぞん一刻』(c)高橋留美子/小学館

再度、登場の❝ばあちゃん❞。やはり、時計坂駅に現れる。そして、遠巻きながら、五代君と響子さんの恋のキューピッド役でもある。上手い!?(めぞん一刻第4集-Part8-BACHAN IN TOKYOより)

出典:『めぞん一刻』(c)高橋留美子/小学館

雨の時の❝時計坂駅❞のショットもあったんだよね。駅に向かう商店街もノスタルジーだよね。(めぞん一刻第2集-Part4-影を背負いてより)

出典:『めぞん一刻』(c)高橋留美子/小学館

そして、墓参りから帰って来る響子さんを❝時計坂駅❞の入り口で待つ五代君の姿。(めぞん一刻第2集-Part13-私は負けない!!より)

出典:『めぞん一刻』(c)高橋留美子/小学館

今度は、逆に、雨の夜中の❝時計坂駅❞で、酒を飲んで帰ってきた五代君を待っていた響子さん。(めぞん一刻第9集-Part9-迎えうちより)

出典:『めぞん一刻』(c)高橋留美子/小学館

そして、終電列車が出て行った❝時計坂駅❞前の雨の中、響子さんは自分の心をそのままぶつけていく。それは、恋から愛への兆しなのだ。(めぞん一刻第9集-Part10-きざしより)

出典:『めぞん一刻』(c)高橋留美子/小学館
出典:『めぞん一刻』(c)高橋留美子/小学館
出典:『めぞん一刻』(c)高橋留美子/小学館

何はともあれ、人には、どうしたって、自分から切り離すことが出来ない色々な思いのこもった忘れられない場所がある。そこで、起きた色々なことが、それからの自分の人生に、何故か、投影してくるのだ。仮に、その場所に戻ることが永い間ないにしても。そこで感じた全てが地となり肉となり、良い意味でも悪い意味でも、自分の未来の原点になる。そう、『めぞん一刻』で、五代君と響子さんにとっては、この場所❝時計坂❞が全ての始まりで未来だったのだ。

あなたにとっての、❝時計坂❞はどこですか?

典:『めぞん一刻』(c)高橋留美子/小学館

コメント

ビッコレ

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