めぞん一刻は確かに五代君と音無響子さんの恋愛ラブコメディーとしての位置づけであるけれど、脇役の個性があまりに凄くて、ここにこの漫画の意味がありもする。主役を軽く食べてしまう、この人達を私たちはどう呼べば良いのか。
脇役がここまで自由奔放に活躍しているの漫画はそうないのである。ここまでの人数を普通は産出できないであろう。セイゼイ、一人か二人程度だ。なのに、めぞん一刻では、これでもかと出てくる。問題児なる脇役君が。
確かに、天才バカボンではかなりの脇役が出ていたな。しかし、それはギャグ漫画であるので、めぞん一刻のラブコメとは、ちと違うだろう。めぞん一刻は、ある意味、現実的な部分もあるのだから。そういう人の日常生活に根差した漫画系の中では、やはり、圧倒的な脇役大量参加漫画なのでありますね。
そこで、この脇役スター達を少しだけ、紐解いておきましょう。
貴方の友だちや周りにこんな人達はゐますか?いたら、楽しいでしょうね。
とにかく、皆さんもご存じの通り、めぞん一刻の彼らは数字合わせの名前で出てきています。面白いよね。1から9までの数字と整合する苗字。それが、響子さんを囲む彼らなのである!!
一の瀬さん
1号室住人の一の瀬花枝。息子は、一の瀬賢太郎。一の瀬夫婦の一人息子で一刻館唯一のまともな人間で、当時は、時計坂小学校3年生。ご主人の一の瀬さんは、ほとんど漫画に出てこない。いるのだが、見当たらない存在。失業中。
一の瀬さんのご性格は、響子さんの母の言う通りで、好奇心旺盛でおせっかい。ノリが良く、頼られると喜ぶのだ。
北海道から上京して小さな会社(山海証券?)に就職、謀略で同僚の一の瀬氏と結婚しました。「とーちゃんの稼ぎが少なくて」家族3人で一刻館に居着いていますが、一の瀬夫人の酒好きは有名。
酒代が一の瀬家の家計を圧迫していることは間違いないでしょう。 生まれが北海道なので、スケートは上手である。
センス両手に踊る姿は一級品である。
ストレート過ぎる一の瀬さん。
二階堂君
第78話「いっしょに住もうね」から第84話「スクランブル・キッド」まで中心となって登場した二階堂くん。なんか唐突に登場し、一刻館で騒動を巻き起こします。とにかく、ニブイ奴であります。
勝手な思い込みが激しい人物。当たっていることもあるが、それも自分で外してのニブさ抜群の男の子。
二階堂君VS.四谷さんは結構な闘いなのである。
結局は、五代君がいつものパターンで損するという感じかな。
三鷹
脇役ではなく、準主役である三鷹についても、順番通りのために、載せておきましょう。ハンサムなのに、何故か、憎めないヤツ。キラリ。
気障であるが、そこも憎めないヤツ。
永遠のライバル??
響子さんへのストレートな愛。犬・明日菜さんも絡んで空回りするが、憎めないヤツ。
四谷さん
めぞん一刻館の変人奇人NO.1の四谷さん。
とことん、イタズラをするのが好きで、五代君との間の部屋の壁を良く開けるし。いつもお金がないようだし。
とにかく、つかめない男なのである。
四谷さんの吹聴は怖い??
二階堂君と四谷さんとの闘いの中で、四谷さんは意外にも、二階堂君の本性を響子さんにそれとなく教えてあげるなど、ナカナカの温情もあるのです。
覗き趣味の四谷さん。
五代裕作
脇役ではないが、順番で入れおきます。笑いの中心。憎めないヤツ。
そして、五代君のお決まりの妄想癖。最高だね。
ヤキモチ焼きの響子さんと五代のいつものシーン。
そのお笑いキャラも、エンディングに向かって、響子さんに愛を叫ぶ。巡り巡って、ようやく。
六本木朱美
六本木朱美は、一刻館の6号室の住人です。一刻館の中では部屋の外でも薄いネグリジェ1枚という、非常に露出の高い恰好でうろついています。
初めは主人公の五代裕作もそんな六本木朱美を嗜めていましたが、次第に慣れてしまった日常の風景と化していました。
六本木朱美はお酒が好きなこともあって、普段から酔っ払っていない方が少ないといった、豪快で破天荒な性格をしています。
あっけらかんとした喋り方をしており、五代裕作との恋愛がもどかしい音無響子に対して、ズバッと発言をする事もあります。しかし、決してきつい性格をしている訳ではなく、サバサバしているだけで根は優しい姉御肌な人物です。
六本木朱美も茶々丸のマスターと結ばれるのだ。
豪快な性格ながら姉御肌でもあり、魅力的なキャラクターとして愛されています。
七尾こずえ
最後まで物語を引っ掻き回すこずえちゃんです。
こずえちゃんの天然ぶりもナカナカのものです。
響子さんは、かなり、こずえちゃんと五代君の関係に嫉妬をします。
八神いぶき
めぞん一刻の面白さのベースになっているのは、勘違いです。
女子高生八神も、資料室で涙する教育実習に行った五代君を見て、「昔の恋人のことを想って泣いているんだ、私が支えてあげなきゃ」と勘違いし、五代君に惚れてしまうのであります。
八神の猛アタック。
八神VS.響子さん。ナカナカの快進撃の八神でありました。
五代君を諦められない八神。
なんと、こずえVS.八神もあったのだ。
九条明日菜
ついに登場。九条明日菜さんであります。とても、面白キャラで、ある意味、三鷹にピッタリであったかもしれないね。
良家(金持ち)、白百合女子大卒(名門大学)、21歳(若い)、美人と非の打ち所の無い女性です。ただ、異常な程の犬好き。
三鷹をギャグで勇気づける健気な明日菜さん。
三鷹、ついに、明日菜さんと結婚へ。
ゆっくり幸せになりましょう、ずっと一緒なんだから。
そんなこんなで
そんなこんなで、響子さんと五代君の周りを彩る脇役たちは大変な個性的な人達ばかりですが、その馬鹿さ加減を超えた温かさが誰にも感じられるキャラクターであります。この人達が時計坂にあるめぞん一刻でたまたま出会った二人の愛に時には笑いを時には潤滑油を与えてくれます。
そうなのですね。めぞん一刻に登場する脇役達は全て良い人達で、コメディ漫画ですから当たり前かもしれませんが、悪人はいないのです。だから、ハチャメチャぶりも許されるのです。
ハッピーエンド
だからこそ、この個性的な脇役人がいるお蔭で、五代君と響子さんのハッピーエンドが更に、温かくなってくる。
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