柳沢きみおの漫画は面白い
あなたは、柳沢きみおの漫画を読んだことがありますか?今の若い人には、馴染みがないかもしれませんね。なんてたって、マンガレンタルショップに行っても、柳沢きみおの漫画を置いていませんから。
それでも、もしかしたら、特命係長只野仁の原作者と言えば、分かる人がまだいるかもしれないな。近頃は柳沢きみおの漫画をとんと見ないけれど、このあたりの漫画については、知っている人がいるかもしれない。
しかし、この人の漫画は私にとって、全ての作品が面白いし、愛着がある。自分の若き日の一時期の生活において、柳沢きみおの漫画が癒しであったのは間違いないのだ。絵が下手だと作者本人も言っているが、私にはその下手さが逆に哀愁を感じるくらいに良い。ヘタウマさの極致ともいえる。味があるのだ。
彼の幾つかの作品を紹介するので、彼の良さを皆に知ってもらいたい。この人の漫画を読めば、若い人でも、幸せになれること間違いなし。まずは、その第1回目の「柳沢きみお論」のその1編であります。
大市民
彼の漫画の中で、今も読んでも、きっと、楽しくなること間違いないのが、このマンガ。現代社会で、男は如何に生き抜くべきかを問う作品だ。面白いぞ。45歳の作家、山形鐘一郎。衣食住ほか、人生にまつわるありとあらゆることに自らのダンディズムを照らし合わせていくその姿に読んで惚れてまうのだ。車へのこだわり。食・酒へのこだわり。風呂へのこだわり。肉体へのこだわり。スポーツへのこだわり。今、中年にさしかかり、いや、老年でも良い、自分磨きに駆けている人は是非読んでみて下さい。
ただし、どうも、このマンガを書いてたあたりに、柳沢きみお氏は破産状態になったようなのだ。この「大市民」の山形鐘一郎の生き様を地で行ったような感じがなきにしもあらずで、そう意味でも、このマンガ家は面白い。そのまんまの人だな。
柳沢きみおの漫画の守備範囲は広い。まず、彼の初期は、青春恋愛ギャグマンガが大受けした。いくつかは映画にもなった。
青春恋愛ギャグ漫画
漫画家になり、初期にヒットしたのは、次の3つだ。
[まとめ買い] 月とスッポン
『月とすっぽん』、『すくらんぶるエッグ』、『飛んだカップル』。
[まとめ買い] すくらんぶるエッグ
ギャグも、結構面白いのだ。純粋だし。恋愛が。
翔んだカップル (文庫版) コミックセット [マーケットプレイスセット]
「飛んだカップル」は薬師丸ひろ子主演で映画にもなった。
そして、「飛んだカップル」は、「続飛んだカップル」から「新飛んだカップル」まで出ている。
ハードボイルド系の柳沢きみお
全然違うジャンルに途中から、柳沢きみおは入っていった。これが、かなり、面白い。そうなのだ。クールでハードボイルドでワルが描き出される作品が出てくるのだ。ここに登場してくる主人公達のキャラがかなりイイ。
青き炎 コミック 全6巻 完結セット
悪はワルはこうでなくっちゃという設定で、ゾクゾクする。特に、『青き炎』と『DINO』が最高だ。だが、『東京BJ』も捨てがたい。
DINO ディーノ 全12巻完結セット
主人公の男達の武器は頭脳・肉体・金だ。周辺の女たちをその完璧な肉体でものにしていく。鍛えられあげた肉体が疾走する。
[まとめ買い] 東京BJ
大人のラブ・ストーリー
柳沢きみおの守備範囲の広さは尋常ではない。
瑠璃色ゼネレーション 7 (ビッグコミックス)
彼は、このジャンルに手を出す。
どんなに愛し合った相手でも夫婦生活に飽きがくるをコンセプトに大人の愛の形を書きまくったのだ。
愛人 愛人契約、満了!? (アクションコミックス COINSアクションオリジナル)
全ては、『瑠璃色ゼネレーション』が最初だ。
その後、『愛人』、『未亡人』、『三十路』等々、柳沢きみおは、大人の愛の行方を追い続けたのだ。名作『七百三十夜』まで、柳沢きみおの愛に関する漫画はかなり多く、面白く、ある意味で深いのだ。
[まとめ買い] 七百三十夜
多くの漫画
これだけ書いたのに、柳沢きみおの漫画のたった一部の紹介しかできていません。そのくらいに、多作の作家であります。しかし、どれもが面白く、それぞれにそれなりの哲学があり、勉強になることも多いです。なので、柳沢きみお漫画等については、今後も、気が向けば、記載していきたいと思っています。
『 男の自画像 』とか『流行歌』とか、人生にどっかーんと来る作品もあるし、幸せ追求のマンガによる指南書って、良いかもしれませんよ。
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