ハードボイルドな曲以外の何物でもない
中島みゆきが1996年に作った名曲。吉田拓郎に提供し、一緒に歌っていることからも、人知るぞ知るの素晴らしい曲である。メロディも最高だが、何と言っても、この歌詞というか詩の力が凄いだろう。この詩自体が小説や映画のストーリーになっていると言って良いくらいだ。そして、ハードボイルドなのである。全てが。哀しいくらいに。そう、『永遠の嘘をついてくれ』だ。
大体が、この曲名が最高だろう。永遠の嘘をついてくれ、なのだよ。
ハードボイルドの基本は、それは意外と知られていないことかもしれないが、それは友人のことを想い闘うことに尽きるのかもしれない。主人公は、そのような雰囲気を表面上は見せないが、心の中には熱い気持ちがあるのである。この中島みゆきの作った『永遠の嘘をついてくれ』の歌詞には、その男のハードボイルドな友人に対する愛があるのである。
こんなところから始まる。
この国を見限ってやるのは俺のほうだと
追われながらほざいた友からの手紙
永遠の嘘をついてくれ
病に倒れ、彼からの代筆の手紙。何十年も会っていない古い友人。どうやら遠い異国で病で死にかけている。会いに行きたいが、彼は、俺を探すなと。何という設定。ハードボイルド、だろ。
長い年月が過ぎ、やり切れない現実を経験して、二人は、今の世界にいる。
永遠の嘘をつきたくて 探しに来るなと結んでいる
永遠の嘘をつきたくて 今はまだ僕たちは旅の途中だと
永遠の嘘をついてくれ
最後の別れに会うことも出来ないが、友よ、お前は、永遠の嘘をついて、いつまでもたねあかしをしないでくれと。歌い上げる。ハードボイルド小説のお決まりの友の死に横たわる話だ。
そして、大事なのは多分、ここだろう。人の人生の意味を伝えてくれるところだな。
永遠の嘘をついてくれ 出会わなければよかった人などないと笑ってくれ
永遠の嘘をついてくれ
死に接しても、友をお互いに信頼し愛し大事にしているところだ。
本当の隠れた名曲だろうな。とても、ハードボイルドな。信じられないくらいに、中島みゆきは凄すぎる。そして、吉田拓郎もこのような曲を作らせて自分が歌い上げた。素晴らし過ぎるコラボレーションだ。昭和POPSの名曲、間違いない。
永遠の嘘をついてくれ【吉田拓郎】with【Secret Special Guest】2006 つま恋ライブ(歌詞付)
永遠の嘘をついてくれ 吉田拓郎&中島みゆき
綺麗な画像で観るのなら、こっちかもしれない。
コメント